各種がん検診のご案内

胃がん・大腸がん・肝がんの撲滅を目指して

ムカムカして食事がほしくないと外来初診、内視競検査をしてみると、すでに末期だったという残念な症例をいくつも経験してきました。もう一ヵ月早く受診されていたら助かっていたかも…。最も好ましいのは、自党症状がなくとも年に1回検診をうけること、百歩ゆずって、少しでも自党症状があったら、すぐに内視鏡検査を受けてください。

胃がんの検診

人間ドックのがん検診はバリウム検査(上部消化管X線造影検査)が主体ですが、当院では経鼻内視鏡検査を施行しています。カメラが小型化し性能が非常によくなったため、外径5mmという細い内視鏡で鼻から挿入できます。口から挿入するのに比べて吃気も少なく、負担も軽く、5分くらいで喉頭がん、食道がん、胃がん、十二指腸がんがないか判定できます。

そして、ヘリコバクターピロリ菌の検査も施行しています。ピロリ菌が胃がんの原因であることが多変量解析で発表され、平成25年2月には慢性胃炎にもピロリ菌の除菌治療が保険適用されるようになり、当院でも積極的に除菌治療を行っています。このように、除菌治療によって胃がんを少しでも減らすことができるのでは、と期待しています。また平成25年の呉市医学会で当院の治療成績を発表しました。

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大腸がんの検診

大腸がんのスクリーニング検査として、まず便潜血反応をみます。便の一部を採取してもらい、消化管の出血の有無を調べます。わずかな血液にも反応するので、がんの家系の人、糖尿病、便秘気味、肉食中心の食事の人には積極的に勧めています。

もしこの便潜血検査で陽性であれば、大腸内視鏡検査を受けていただきます。画像強調拡大内視鏡を使用し、2cm以下のポリープであれば、発見した時点で切除しております。ただし、2cm以下のポリープでも、がんになっていることがあるため注意が必要です。また2cm以上のポリープであれば、がんの可能性が高くなります。

国立がんセンターによると、便潜血検査を受けた人は、大腸がんの死亡率が60%~80%も低下するといわれています。

内視鏡専門医で検査を受けて下さい。

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肝がんの検診

肝機能障害がみつかった患者さんには、まず、B型肝炎、C型肝炎の有無を調べ、陽性の場合には腹部超音波検査を使います。肝炎ウィルス陽性の患者さんは、肝がんができる率が高いため、ウィルスを排除することで肝がんを予防することができます。

現在、C型肝炎にはインターフェロン注射(週一回)と抗ウィルス剤(経口剤)2種類との3剤併用療法にて、8割以上のウィルスを排除出来るようになりました。さらに平成26年9月、注射を使わない経口剤2種類のみの新しい治療法が承認されました。インターフェロン製剤では治療出来なかった高齢者や肝硬変の患者さまもこの内服1~2剤12週間投与でほとんど著効となリます。

C型肝炎については、ここ2、3年で100 %近くウィルス排除が可能と推測されています。 膵がんは非常に発見しにくく、診断時にはすでに転移している例が多いがんです。そこで呉市では一人でも多く早期発見しようと膵がん連携パスが始動し、当院も参加させて頂きました。

肺がんについては、その70%は喫煙者なので、喫煙者は年に1回胸部レントゲン検査を受けた方が良いです。たばこはがんにならなければ肺気腫になり、さらには在宅酸素療法をすることになります。当院では禁煙外来も行っていますので、詳細は【スグ禁煙】で検索して下さい。

また患者さんの同意の下、診療情報を複数の医療機関で共有する「波と風ネット」で総合病院との連携を密にしながら、一人でも多くの患者さんががんで亡くならないように努力を続けます。

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